今回の参考資料・引用元は
山川出版社発行の教科書『歴史総合 近代から現代へ』最新版
P28(20行目)~P29(16行目)「江戸時代の経済」
https://new-textbook.yamakawa.co.jp/history/
まず冒頭文を見ると
とあります。
従来の日本史を学習していた人の多くは、「え?鎖国をしていたのでは?」と思うでしょうね。
もちろん、いわゆる鎖国をしていました。
しかし「鎖国」の「鎖」とは、どういう意味の字ですか?「閉じる」という意味ではないでしょう?
閉じるなら、外国船が来ても全員追い払います。
しかし中国・朝鮮・オランダの船が来ると、外国人をどんどん上陸させています。
ただ長崎とこの2地域だけ、開いているということです。
つまり「鎖」とは、一部の場所で鎖を緩めるということ。禁止ではなく、制限・統制しているのです。
具体的には、外国と貿易をするのは江戸幕府と対馬藩・琉球王国(薩摩藩)だけ。
他の大名や民間人にはやらせない。中国・朝鮮・オランダ・アイヌ以外とは貿易しない。
つまり江戸時代には、外国と貿易が行われていたのです。
ちなみに中国の明王朝がやっていた鎖国政策は、「海禁」と呼ばれます。
「禁」という字が入っていますね。
これが、海岸線完全封鎖のいわゆる閉国状態です。
次に本文に繰り返し出てくる言葉を見ると
生糸 砂糖 人参 物 貨幣
三都 幕府 金融 綿花(木綿) 菜種 国産化
屋敷 流通 発達
商品 経済 財政 藩
この単元の本文は4段落あり、段落ごとに記しています。
教科書を参考にこの言葉たちで作文をすると、メインテーマの出来上がりです。
第一段落。
「貿易は、生糸・砂糖・人参の輸入、鉱物・海産物の輸出」
第二段落。
「金融で栄えた三都の近郊で綿花・菜種の栽培が盛んになり、綿花・生糸・砂糖が国産化された」
第三段落。
「諸大名の領地と江戸・大坂屋敷が、発達した流通・金融で結ばれた」
第四段落。
「商品経済・貨幣経済が、幕府や藩の財政を圧迫した」
この最後の文の意味がいまいちわかりにくいと思います。
教科書も説明をしていません。
ふつうは、商品経済・貨幣経済になることと財政とは関係ありません。
これは江戸時代当時の特殊事情です。
当時は貨幣の原料である銀や銅の掘削量が、埋蔵量の限界に達し年々減っていました。
それに加えて、外国との貿易の代金として銀や銅(の塊)を払っていました。
つまり資金不足ということです。
この語群から思考が広がる語を抜き出す
物 貨幣 金融 化 流通 商品 経済 財政
今回は経済関連の言葉が多いです。
思考が広がるというよりも、この語群の中に互いに対比される語たちがあります。
*「物」「流通」「商品」VS「貨幣」「金融」
経済の基本は、こちらの価値ある物と、あちらの価値ある物を互いに交換し合うことです。
だから最初は物々交換から始まり、やがて物の価値を表す貨幣ができます。
貨幣には、その原料自体の価値によるものと、国家が信用を与えたものとがあります。
物と貨幣は、一対、表裏という関係にあります。
*「経済」
歴史好きな人の多くが、経済史を苦手にしています。
政治史はロマンに満ちあふれているのに対し、経済史は現代に通じるリアルさを見せられるからでしょう。
歴史は、政治だけでは進行しません。
お金や物がないと、合戦はできません。先立つものは、カネなのです。
また政治と経済だけでは、人は動きません。
人を動かすものは、文化。あるいは心の在り方。
さらに、ひとりでは政治も経済も文化も生まれないし、発展もしません。
人が多数集まって作る社会が、組織が必要です。
家庭、職場、学校、地域、地方自治体、国家、国際社会。
したがって、歴史には、政治史・経済史・文化史・社会史があります。
この全ての面から総合的に歴史を理解する必要があります。
*「財政」
経済と政治がくっついている語です。
経済史が苦手な人、政治史が苦手な人の双方が、理解するのに苦労する分野です。
「人には、物欲がある」という言葉が、理解を助けると思います。
人は、とにかく何でもかんでも欲しがります。
特に政権が、欲しがります。
政権は、国民から物や金をできるだけたくさん集めようとします。税です。
国民は、政権に物や金を奪われることに抵抗します。
政権は、そこで力づくで奪い取るか、説得して奪い取るかします。
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