今回の参考資料・引用元は
山川出版社発行の教科書『歴史総合 近代から現代へ』最新版
https://new-textbook.yamakawa.co.jp/history/
単元の冒頭文
今回は2つの国家(ないしその初期形態である地域共同体)についての説明なので、2段落それぞれに冒頭文が記されています。
蝦夷ヶ島と呼ばれた北海道では、アイヌの人々が独自の言語をもち、鹿・熊・海獣などの狩猟や鮭・鱒などの漁労を中心とする生活文化を築いていた。
現代では、それぞれ日本国の領土内にあります。
琉球王国は、日本人が南西諸島に作った、大和朝廷由来の日本国とは別の独立国家です。
アイヌは、古代縄文人と北方民族が混血し形成されたといわれる民族です。
国家を形成しておらず、有力首長たちの連合共同体でした。
この2つは、江戸時代の日本にとり、外国と扱ってよいでしょう。
単元の本文に繰り返し出てくる言葉の把握
[琉球王国]
支配 藩 王国 朝貢 貿易 砂糖 商人 昆布
江戸時代も王国として存続し、従来通り中国王朝に朝貢する形の貿易を続けました。
しかし実際は、王国全体が薩摩藩の支配下に置かれていました。
王国の存続は、中国との貿易を続けさせるための方便でした。
日本の商人が貿易を取り仕切り、琉球特産の砂糖を本土に送り、蝦夷地特産の昆布を琉球を通じ中国に輸出していました。
[アイヌ]
支配 権 交易 鮭 昆布 ラッコ 皮 商人
アイヌは形式上は松前藩の支配下とされましたが、松前藩はアイヌを支配せず交易するにとどめたので、独立を維持し(19世紀になると江戸幕府の支配が始まる)、松前藩や北方民族との交易を盛んにしていました。
輸出品は、海産物でした。
思考が広がるような言葉を取り上げる
支配 商人
*「支配」
動詞なので、誰が誰を支配しているかが重要ですが、ここでは本文から明らかです。
さて支配というと、普通は身も心もすべてを支配するというイメージですが、支配の形にもいろいろあります。
税は取るが、宗教の信仰は認めるというのは、前のイスラーム3帝国の最盛期でした。
独立を認めるが、実際は政治的あるいは経済的に支配しているという形もあります。
事実上の支配というものです。
また政治的にも経済的にも独立しているが、精神支配を受けているというのもあります。
よく言われる「外国かぶれ」「外国依存」というのがその例です。
もちろん、表面的には外国かぶれをしていても内心は自我を保っていれば、いわゆる「和魂洋才」というものになるのですが。
「外国依存」というのは、外国がいうことに対しイエスマン状態になることです。
植民地にも、いろいろな形があります。
政治的に支配する形もあれば、近代のアメリカ合衆国が行ったような金融支配という形もあります。
現代のイギリスがカナダやオーストラリアを支配する形は、事実上の独立を認めながら、国家元首は共通のイギリス国王という同君連合(実際は、ゆるい連邦)というものです。
*「商人」
江戸時代というと武士の時代であり、他の身分が活躍する場はないという印象ですが、実際は特に商人の力が増大しました。
また農民の中からも、広大な土地を所有する地主層が力をつけていきます。
商人の力が増した背景には、工業の発達があります。
この工業という産業こそ、民力を非常に高めるものでした。
農民が栽培した作物を、手工業の家内あるいは工場で加工し付加価値を付けて、商人(問屋)が販売する。
民力が高まると、それが人口の大多数ということもあり武士の時代に終わりが見えてきます。
商業、つまり物の売り買いが経済の基本です。
売り買いされる物には、物体のほか、サービス、データ(情報)もあります。
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