今回の参考資料・引用元は
山川出版社発行の教科書『世界史探究 詳説世界史』2022年検定済23年発行
P93(18行目)~P94(7行目)「ビザンツ帝国の成立」
https://new-textbook.yamakawa.co.jp/w-history
この教科書を持っていない方にも分かりやすいように、固有名詞や歴史用語も含めて書いています。
冒頭文
西ローマ帝国が滅びた頃、東ヨーロッパでは
この部分から、この単元は前の単元と同じ時代であることが分かります。
前の単元は、この時代のヨーロッパの西半分の出来事です。
この単元は、この時代のヨーロッパの東半分の出来事です。
こういうふうに時代と場所を理解すると、知識が整理されます。
本文
段落は2つあります。
繰り返し出てくる言葉は
東 (ヨーロッパ) (ビザンツ) 帝国 (ローマ) (ギリシア) 正 教 (ゲルマン) 人 業 貨 繁栄 続けた 都 (コンスタンティノープル) 政治 皇帝 支配 教会 (キリスト) 権力
西方 滅 (ユスティニアヌス) 大 (地中海) 復 王国 (ハギア=ソフィア) 聖堂 建立
となります。
この語群を使って作文をするわけです。
第一段落は
「この頃、東では帝国が、正教会・産業・貨幣をメインに都市などで繁栄を続けていた。その政治は皇帝支配で、教会を支配する権力だった」
第二段落は
「この帝国は、西方の諸王国を滅ぼし大領土を一時的に復活させた。首都には聖堂が建立された」
これらが、この単元の要旨です。
これらをパッと見るだけだと、「ふーん、そうなのか」という感想しか出てこないと思います。
つまりこの単元は、歴史的思考抜きでは真に理解できない単元です。
前の単元は、応用学習をしなくても理解できました。
この単元は、応用学習をしないと理解できません。
歴史的思考をしてこの単元を真に理解する
ただ、この歴史的思考は、この後に出てくる単元の理解が前提になります。
つまりどういうことかというと、この教科書のビザンツ帝国単元の位置が良くないのです。
この後の「フランク王国」「ローマカトリック教会」「カール大帝」「分裂フランク王国」「外部勢力の侵入」「封建社会の成立」の6単元を学習して後に、このビザンツ帝国の学習をするべきなのです。
ユスティニアヌス大帝の事績がちょうどゲルマン人大移動の終わった直後なので、同時代の理解を容易にする意図だと思いますが、ビザンツ帝国の特色の理解がこれでは難しいのです。
ここでは、一応ヒントだけ書いておきます。
東 帝国 ギリシア 正教会 ゲルマン人 業 貨 繁栄 続けた 都 皇帝が教会を支配 キリスト 西 滅 大 地中海 復 王国
それぞれ反対語・対照語を連想しましょう。
*「東」⇒西には、ゲルマン諸王国。特に、フランク王国。
*「帝国」⇒西の諸王国は風下に。フランク王国は対抗心を燃やす。
*「ギリシア」⇒ローマ帝国を称しながら、次第に東方地域性を強めていく。西方のゲルマン人地域との対照性。
*「正教会」⇔ローマカトリック教会
*「業」「貨」「繁栄」「続けた」「都市」⇔西方では産業そのものが衰退した。産業の主目的は「売る」。貿易や商業が衰退したから。西方では、貨幣もなくなり、自給自足の物々交換の村社会となった。
*「皇帝が教会を支配」⇔西方では、教会の権威が諸王国の上に立った。
*「キリスト」⇔イスラーム勢力がヨーロッパを南や東から脅かしつつあった。
*「地中海」⇔西ヨーロッパは海から切り離された。貿易や商業の衰退に拍車をかける。西方社会にとって海は、海賊が襲来する北の海になった。
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